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ツヅラフジ科植物のアルカロイドであるセファランチンは、当院の治療の特色のひとつにあげられます。
●皮膚病(アトピー、アレルギー、ホルモン性等)
●貧血(自己免疫性・バベシア症)
●マムシや蜂・ムカデなどの咬傷等
(人間の医療機関での最も多い使用例で、血清と共に特効薬として使用されます)
●肝疾患・腎不全
●猫のエイズ・白血病(口内炎や貧血に対して)
●フェレットの副腎疾患
以上のような様々な疾病にこのセファランチンを用いて素晴らしい効果を得ています。
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昨年もご一緒した福岡市のドリトル動物病院の綿貫先生と。大変勉強熱心な先生で、免疫療法やセファランチンも治療に積極的に取り入れられています。
写真はかの有名な靖国神社での一枚。
首相の参拝で物議をかもし出している戦没者ではなく、院長たちは軍用犬や軍馬の慰霊碑があるのに感銘を受け、その前での記念撮影です。獣医ならでは!?
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綿貫先生(左)と院長(右) |
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その他、すでに当院でも実証されている口内炎や歯肉炎に対する抗炎症効果も発表されています。
セファランチンは植物由来の成分で単一の組成ではないため、作用機序のすべてが解明されているわけではありませんが、長い使用歴からほとんど副作用がなく、新たな可能性も秘めた、これからの研究がさらに期待される薬でもあります。
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口内炎に |
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また、当院での使用例の多い皮膚病に関しても、ステロイドを体内で調節することで、ステロイド投与量を減量でき、炎症性浸潤が減少するといった病理学的な発表もなされていました。
実際使ってみて、注射や薬の使用量がぐんと減った動物たちを見ていますから、この研究発表にも納得!
最近では、アトピー性の皮膚炎や、真菌性の皮膚炎に対しても、ステロイドを極力使わずに治療する方法に切り替えつつあります。
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皮膚炎に |
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そして忘れてはならないのが、血液疾患におけるセファランチンの役割です。
特に貧血に対しては、臨床研究が進んできています。
この子は、かれこれ一年以上セファランチンとステロイド、強肝剤を併用して、難治性の自己免疫溶血性貧血(自分で自分の血液を破壊してしまう病気です)と戦っているミッチーちゃん。
今では元気で食欲ありすぎて困るほどとのことです。
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セファランチンの十八番 |
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治療開始時、10%と致命的に低かったヘマトクリット値(貧血の程度を示す値(通常40%くらい))も、現在30%まで回復しています。写真の赤芽球は、若い赤血球です。
セファランチンは、赤血球の膜安定化効果や、ステロイドの副作用軽減、強力な活性酸素除去効果などが貧血に効果を表すと考えられています。
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ミッチーの血液像 |
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松田獣医師の恩師でもある北里大学獣医畜産学部獣医放射線講座の夏堀雅宏先生と会場内で。
アメリカのテネシー大学への赴任直前の貴重なお時間に獣医学、放射線学について価値あるお話をさせていただき、大変有意義な時間をすごせました。
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北里大学の夏堀先生と |
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