アルカロイド研究会レポート
2005.6.18
2005年6月18日(日)に大阪で行われたアルカロイド研究会に参加した院長のレポートです。


アルカロイド研究会とは?
 
ツヅラフジ科植物のアルカロイドであるセファランチンを中心とした、アルカロイドの基礎的・臨床的研究のための組織です。
当院では、
 
                          ●皮膚病(アトピー、アレルギー、ホルモン性等)
                        ●貧血(自己免疫性・バベシア症)
                        ●マムシや蜂・ムカデなどの咬傷等
                         (人間の医療機関での最も多い使用例で、血清と共に特効薬として使用されます)
                        ●肝疾患・腎不全
                        ●猫のエイズ・白血病(口内炎や貧血に対して)
                        ●フェレットの副腎疾患
          
以上のような様々な疾病にこのセファランチンを用いて素晴らしい効果を得ています。

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会場の大阪市コスモスクエア国際センター
日頃からセファランチンの小動物臨床での効果をメーカーに報告していた縁から、参加することになりました。(300人近くの参加者のほとんどが人医です)
会場の大阪市コスモスクエア国際センター

今回は、「脱毛を科学する」と「痛みを科学する」という二つのテーマを中心に、基礎講演・症例発表など数多くの講演が行われました。
展示パネルに見入る院長
展示パネルに見入る院長

展示パネルの一例
脱毛・皮膚病に対するセファランチンの効果の展示パネルです。人ではアトピー性皮膚炎やや様々な原因の脱毛症に用いられています。
当院でも、皮膚病や内臓疾患に対してこの組み合わせで用い、効果を実感しています。
展示パネルの一例

他の薬物に比べても、セファランチンのラジカル除去能は際立っていることが証明されていました。
フリーラジカル除去にも効果大
フリーラジカル除去にも効果大

炎症と疼痛の講演
痛みに関する講演では、痛みのメカニズムから治療まで、多くの興味ある報告がされていました。
特に炎症と疼痛の講演は、非常に有意義でした。
炎症と疼痛の講演

セファランチンは,口腔内難治性疾患に対して内服薬や軟膏製剤として使用されています。健康な人の口腔内では,白血球が絶えず浸潤し,活性酸素を産生して生体防御 機能を発揮していますが、口腔内の炎症が強い時には,逆にその機能を抑える必要が あります。セファランチンにはラジカルスカベンジャー(活性酸素を除去する働きを持つ物 質)としての作用を有しており,この目的で使用されています。
当院でも難治性の猫の口内炎等に対して使用しています。
 
口内炎に対する効果
口内炎に対する効果

セファランチンの十八番
セファランチンの効果で最も有名なのが、様々な毒素に対する効果です。最たるものはマムシですが、蜂やムカデの刺し傷にもよく効きます。
この子は原因不明のアレルギーで顔がはれ上がってしまいましたが、セファランチンとステロイドの併用で数分後から腫れが引き始めました。
セファランチンの十八番

今回は当院でも診療によく用いるセファランチンの効能や作用機序について更に知見を深めることができ、今後の診療に役立ちそうな情報も色々と得ることができました。動物の治癒率向上のため、更にレベルアップしていきたいと思います。
最後に
最後に



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